Dog犬図鑑

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

どんな犬?

イギリス原産で長年イギリス王室やヨーロッパの貴族に愛されてきたキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、とても優雅で落ち着いている犬種です。最大のチャームポイントと言えるのは飾り毛のついた垂れた耳で、丸くて大きな瞳と相まってとても可愛らしい顔立ちをしています。性格は優しく穏やかで、人にも他の犬にも社交的で愛情深いと言われています。小型犬の中では身体は少し大きめで、全身は絹のように柔らかですこしウェーブがかった被毛に覆われています。日本では、略して「キャバリア」、さらに略して「キャバ」などと呼ばれています。

原産国

イギリス

サイズ

JKCの基準では、体高は定められていません。体重が5.4~8kgの範囲内で、小型でバランスのとれたものが望ましいとされています。

体重
値段

一般的には、10万〜25万円前後です。性別やサイズ、毛色、月齢、血統などによって値段は変わります。チャンピオン犬の血筋だとさらに高額になります。いくつかのブリーダーサイトでは、30~40万円を超える金額の子もいます。

毛色

JKCの基準では、ブラック&タン、ルビー、ブレンハイム、トライカラーの4つが認められています。他の毛色や色の組み合わせは極めて好ましくないとされています。 ブラック&タン 真っ黒でつやのある黒い被毛に、タン・マーキングが両目の上、両頬、耳の裏側、胸及び脚、尾の裏側にあります。タンは明るい色調でなれければならず、白斑は好ましくないと定められています。 ルビー 全体が鮮やかなレッドであり、白斑は好ましくないと定められています。 ブレンハイム 鮮やかなチェスナットのマーキングがパーリー・ホワイトの地によく分布していて、斑は頭部に均等に分布しています。さらに、耳の間にひし形の斑(ロザンジュ)があることが大変価値があるとされています。(これはこの犬種独自の特徴です。) トライカラー ブラックとホワイトの境目は明瞭であり、分布し、両目の上、両頬、耳の裏側、脚の内側、尾の裏側にタン・マーキングがある、と定められています。

特徴

小型犬の中ではやや大きめで、骨格はがっしりとしています。垂れ耳と大きな瞳が特徴でとても可愛らしいです。被毛は柔らかく少しウェーブがかっていて、特に耳、胸周り、脚、しっぽには羽毛のような飾り毛がついてとても華やかで優美な印象です。

性格の特徴

明るくて遊びや運動が大好きですが、とても穏やかで優しく、見知らぬ人や子ども、他の犬にも友好的です。神経質なところや攻撃性は無いと言われていて、非常に性格が良いことで知られています。とても愛情深くて、人とのスキンシップが大好きです。相手の気持ちをくみ取って合わせようとする柔軟性があり、家庭犬として理想的であると言われています。

なりやすい病気・症状

僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは心臓病の一種である僧帽弁閉鎖不全症の発症がかなり多い犬種として知られています。通常は高齢になるとどの犬でも起こりやすい疾患ですが、キャバリアは遺伝的な要因が関係していると言われ、他の犬種よりも発症年齢が若いのが特徴です。この病気は僧帽弁の弁閉鎖機能の障害により血液の逆流を止められなくなる、正常に血液を送り出すことができなくなるなどの症状が起きます。心雑音のような異常な心音は僧帽弁閉鎖不全症の最初の兆候です。症状が進行すると、呼吸が速い・乱れる、パンティング(口を開けてハァハァと呼吸する)、息切れ、失神、体重減少、咳、活動性の低下、運動を嫌がる、などの行動を起こします。症状が重度になると、最終的に肺水腫を引き起こし、うっ血が起こります。初期段階では投薬や食事療法など内科的治療を行ないますが、深刻な場合は外科手術が必要になる場合もあります。キャバリアはかなり高確率で僧帽弁閉鎖不全症になると言われているので、定期的な聴診を欠かさないようにして早期発見に努めましょう。

外耳炎

キャバリアは垂れ耳なので、外耳道の通気性が悪く細菌が増殖しやすいため外耳炎を発症しやすいと言われています。「外耳炎」とは、耳の外耳道や耳介部分に起こる炎症です。耳をかゆがる、耳介の赤み、真っ黒な耳垢や悪臭などが特徴です。主な原因は、草の種子などの外的な刺激、耳ダニ、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、免疫力の低下、腫瘍などが挙げられます。重症化すると、中耳や内耳にも炎症が及ぶ可能性があります。初期段階では耳の洗浄と点耳薬、抗菌薬投与などで治療しますが、重症の場合は時に手術が必要です。外耳炎になっている場合、犬が耳や頭を振る、床にこすり付ける、耳をかゆがって掻く、耳を触られるのを嫌がって逃げる、などの行動を起こすことがあります。こまめに愛犬の状態をチェックしてあげて、何か異常が見られたら動物病院へ連れて行きましょう。

短頭種気道症候群

キャバリアは、かつてはパグなどの短頭種の血が加えられて、マズルがかなり短かった時期があります。そのため今でも短頭種気道症候群になりやすい傾向があります。 パグやフレンチ・ブルドッグなどのマズルが短い犬種は「短頭種」という種類で、頭蓋骨に対して極端に鼻が短くなっています。短頭種はその特性によって、鼻の穴や通り道、喉が狭くなっていて、呼吸をする時に気道に圧力がかかりやすくなります。このような短頭種に多く発生する呼吸器の症状を総称して、「短頭種気道症候群」と呼んでいます。悪化すると呼吸困難や熱中症の原因となります。初期症状としては、いびきをかく、ゼーゼー、ガーガーといった呼吸音がする、呼吸が辛そう、咳や嘔吐などがあります。少しでもおかしいなと思ったら、早めに動物病院で診てもらいましょう。

飼っている・飼っていた有名人

モデル・アイドル・タレント

DAIGO、奈美悦子、竹内由恵、中島史恵、魚住りえ、森下悠里

俳優・役者

武井咲、黒沢年男、鈴木杏、小芝風花

スポーツ選手・格闘家

村上佳菜子、渡部絵美、川口和久

お笑い芸人

陣内智則

歌手・アーティスト・海外セレブ

安室奈美恵、倖田來未、上原多香子、鈴村健一、青木美紗子

その他著名人

セレーナゴメス、アマンダ・バインズ、ミーシャ・バートン

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの歴史

キャバリアはイギリスを原産とする犬種で、イギリス王室によって長年大切にされてきました。16世紀頃に存在した狩猟犬(スパニエル)が祖先と言われています。もともとはコッカー・スパニエルと非常によく似た外見だったそうです。特にイギリス王室のチャールズ1世、2世から深い寵愛を受けていました。その後、小型のスパニエルと東洋の鼻ぺちゃの短頭種の愛玩犬を交配して、短いマズルのスパニエルが作られるようになりました。この時、犬種名を「キング・チャールズ・スパニエル」と名付けられました。現在のキャバリアよりもひとまわり以上サイズが小さく、鼻が潰れて短いという特徴があります。
鼻ぺちゃのキング・チャールズ・スパニエルは英国やヨーロッパの王族、貴族、資産家などに愛されてきましたが、短頭種であるが故にいびきや疾患の多さに悩まされました。そんな中、愛好家たちが初期の鼻の長いタイプのスパニエルを復興させようという運動を始め、繁殖に尽力しました。特にアメリカ人のローズウェル・エルドリッジはチャールズ二世の絵画に登場するような昔のタイプのトイ・スパニエルがいないことに落胆し、昔ながらの「長いマズル、フラットなスカル、白い斑のある頭部」を持つトイ・スパニエルを探すために賞金まで出しました。こうした動きの中で固定されたキング・チャールズ・スパニエルに、チャールズ王への敬意を表し、中世の騎士を意味する「キャバリア」の名を冠して命名されたのが、「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」です。この名前には、「チャールズ国王に付き添う犬」という意味が込められています。

ご予約・お問い合わせ