パグ
どんな犬？
小柄ですががっしりとした体つきで、まん丸で大きな瞳と、鼻がぺちゃっと潰れている愛嬌のある顔が特徴です。耳や鼻、口、目の周りは黒い毛に覆われています。ユニークで愛らしい表情と仕草で人気の高い犬種です。
| 原産国 |
中国 |
|---|---|
| サイズ |
小型犬。ＪＫＣの基準では体高は定められていませんが、25cm～28cm前後と言われています。 |
| 体重 |
ＪＫＣの基準では、理想体重は6.3 kg～8.1 kgとされています。 |
| 値段 |
一般的な価格は20～35万円前後と言われています。性別やサイズ、毛色、顔つき、月齢、血統などによって値段は変わります。あるブリーダーサイトでは、40～50万円を超える子もいました。 |
| 毛色 |
シルバー、アプリコット、フォーン、ブラックの４色があります。ＪＫＣの基準では、マズル、マスク、耳、頬の上のほくろ、サム・マーク、前頭部のダイヤモンド、トレースは黒いほど良いとされています。 |
特徴
筋肉質でがっしりとした骨格ですが、身体自体は比較的小柄です。首・肩回りは太くて力強く、胴は短めで、尻尾はクルンと強めに巻いています。頭は大きく丸く、マズルが短く、鼻が潰れたような見た目をしている短頭種の犬種です。目は大きくまん丸で、口も大きく愛嬌のある顔立ちをしています。耳は薄く小さく、かつ柔らかくて、形は２種類あります。小さな垂れ耳が折れ曲がって後方に倒れて耳朶が見えるローズ・イヤーと、耳が前方に折れ、先端部が開口部をふさぐようにスカルに沿ってたれ、先端が目の方を指しているボタン・イヤーがあります。
性格の特徴
パグは明るくて利口で愛嬌たっぷり、愛情深くて優しい性格と言われています。寂しがり屋で常に人と一緒にいることを好むため、長期の留守番は苦手です。とても活発で遊ぶのが大好きです。一方で頑固な面も持っていて、一度「こう」と決めたらテコでも動かない傾向もあります。一度覚えたことを変えようとしない性格のため、しつけは最初から一貫して行う必要があります。
なりやすい病気・症状
目の病気
パグは丸くて大きな目が特徴ですが、眼球がおさまる部分が浅いことから、目の病気や不調が起きやすくなっています。頭蓋骨に対して鼻の長さが短く、前頭部が丸く突き出しているため目のくぼみが浅く、眼球が他の犬種に比べて出ています。それによって目へゴミが入ったり、刺激が起きやすいのです。角膜炎や眼球突出などに注意しましょう。眼球突出は頭をぶつける、転ぶ、他の犬と遊んだりけんかしたりした時の衝撃や、交通事故などによって目（眼球）が飛び出してしまう症状です。もしも目が飛び出してしまったら、自力で治そうとせずにそのままの状態で保護してすぐに動物病院へ連れて行ってください。
皮膚炎
パグは遺伝的に皮膚が弱く、皮膚病にかかりやすいことでも知られています。アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎、膿皮症などに注意しましょう。パグの最大のチャームポイントと言える顔の深いシワですが、そこには垢や食べカスといった汚れが蓄積しやすく、放置していると皮膚病にかかってしまいます。肌を清潔に保つために、こまめにシワの中の汚れを拭き取り、シャンプーやブラッシングを適度に行いましょう。
短頭種気道症候群
パグは「短頭種」という種類で、頭蓋骨に対して極端に鼻が短くなっています。短頭種はその特性によって、鼻の穴や通り道、喉が狭くなっていて、呼吸をする時に気道に圧力がかかりやすくなります。このような短頭種に多く発生する呼吸器の症状を総称して、「短頭種気道症候群」と呼んでいます。悪化すると呼吸困難や熱中症の原因となります。初期症状としては、いびきをかく、ゼーゼー、ガーガーといった呼吸音がする、呼吸が辛そう、咳や嘔吐などがあります。少しでもおかしいなと思ったら、早めに動物病院で診てもらいましょう。
壊死性髄膜脳炎（パグ脳炎）
原因不明で確実な治療法もまだ確立されていない難病です。突然けいれんを起こして倒れます。パグ以外の犬でも報告がありますが、パグの場合は重症化しやすく予後不良に陥ることが多いようで、パグ脳炎と呼ばれることもあります。初期段階では運動失調や視力障害を発症し、最終的には脳が壊死を起こし死に至ります。てんかんと症状がよく似ていますが、ふらつき、旋回、斜頸などの症状もあります。時間をかけて重症化することが多いてんかんと違って、パグ脳炎は短い期間に症状が進行して死に至るケースが多く、数日?数週間で亡くなってしまいます。原因は解明されておらず確実な治療法がないため、ステロイドや抗けいれん薬などの投与を対症療法的に行うことになります。
飼っている・飼っていた有名人
モデル・アイドル・タレント
デヴィ夫人、相田翔子、優香、内田恭子、千野志麻、川原亜矢子、新山千春
俳優・役者
宍戸錠、坂上忍、木村拓也&工藤静香夫妻
スポーツ選手・格闘家
宮崎大輔、古閑美保
お笑い芸人
村上知子（森三中）、坂本ちゃん
歌手・アーティスト・海外セレブ
水前寺清子、槇原敬之、城之内早苗、ファンキー加藤（FUNKY MONKEY BΛBY’S）
パグの出てくる映画
・メン・イン・ブラックシリーズ（1997?）
トミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスがW主演の大ヒット映画「メン・イン・ブラック」シリーズにはパグのキャラクター「フランク・ザ・パグ」が登場します。フランクは、見た目は完全にパグですが、中身は地球外生命体（エイリアン）。一作目ではエイリアンの情報を吐かそうとするK（トミー・リー・ジョーンズ）に振り回され、二作目ではJ（ウィル・スミス）の相棒として活躍し、車の窓から顔を出しながらご機嫌に歌ったり、かっこよく葉巻を吸ったり、失恋して落ち込むＪに恋愛のアドバイスまでする姿がとても愛らしいです。
・キングスマン（2015）
イギリス・アメリカ合衆国のアクション・スパイ映画で、諜報機関キングスマンの候補生として奮闘する主人公と、その相棒としてパグのJBがともに過酷な試練を乗り越えていく物語です。子犬のＪＢはたくさんの愛らしい姿を見せてくれます。ちなみに、ＪＢの名前の由来は、ジェームス・ボンドでもジェイソン・ボーンでもなく、ジャック・バウアーだそうです。
・パグ・アクチュアリー ダメな私のワンダフルライフ（2018）
初めての愛犬に振り回されっぱなしの女性が恋に仕事にと奮闘する姿を描いたイギリス製ロマンティックコメディです。主人公は最初パグの愛犬パトリックのお世話に奮闘しますが、パトリックが主人公の恋を急展開へ導いていき…という内容です。おっちょこちょいな主人公とやんちゃで愛嬌たっぷりのパグの組み合わせで楽しくほっこりすること間違いなしです。
・ペット（The Secret Life of Pets）（2016）
「ミニオンズ」のイルミネーション・エンターテインメントとユニバーサル・スタジオがタッグを組んだ長編アニメーションです。飼い主のいないところでペットたちが巻き起こす騒動を描いています。吹き替え版では、主役２匹の声を「バナナマン」の設楽統さんと日村勇紀さんがそれぞれ担当したことでも話題になりました。この作品では、楽観的で興奮しやすいパグの「メル」が登場します。憎めないキャラクターとパグらしい独特な表情が見どころです。
・犬ヶ島（2018）
アカデミー賞受賞作品「グランド・ブダペスト・ホテル」のウェス・アンダーソン監督が日本を舞台にして制作しました。犬の伝染病が大流行したことによりゴミ処理場の島「犬ヶ島」に犬たちが隔離され、そこにいる愛犬を探す少年と犬たちが繰り広げる冒険を描いたストップモーションアニメです。未来を“ビジョン”で見ることができる“予言犬”としてパグの「オラクル」が登場します。声優陣にはビル・マーレイ、エドワード・ノートンらアンダーソン監督作品の常連俳優のほか、スカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、オノ・ヨーコら多彩な豪華メンバーがキャスティングされています。第68回ベルリン国際映画祭のオープニング作品として上映され、コンペティション部門で監督賞（銀熊賞）を受賞した名作です。