マルチーズ

どんな犬?

純白の毛並みに覆われた小柄な身体と、黒く濡れたような大きな丸い瞳、垂れた耳が特徴です。日本では昔から愛玩犬として長年人気で、「犬の貴族」とも呼ばれる気品ある犬種です。かつては世界中の貴族から愛玩犬として大切に愛されていました。

原産国

中央地中海沿岸地域

サイズ

超小型犬。一般的には、体高20cm~25cmと言われています。JKCの基準では、体重のみ規定があり、体高は基準が表記されていません。

体重

JKCの基準では、牡牝共に3.2kg以下で、2.5kgを理想とする、と定められています。

値段

一般的には5万円~25万円前後です。性別やサイズ、顔つき、月齢、血統などによって値段は変わります。チャンピオン犬の血筋であったり、より小さいサイズであったりすると金額が上がりやすいです。なかには40~50万円を超える子もいます。

毛色

JKCの基準では、純白が理想とされています。また、淡いタン、あるいはレモン色は許容されていますが望ましくないと言われています。

特徴

マルチーズの最大の特徴は、純白に輝くふわふわの毛に覆われていることです。つぶらな瞳と垂れた耳、丸いフォルムの頭によってとても可愛らしい印象です。被毛をカットしない場合、伸び続けて床に届くほどの長さになります。下毛(アンダーコート)は無くシングルコートです。

性格の特徴

マルチーズの性格は従順で温厚ですが、活発で大胆なところもあります。また、賢くてしつけがしやすいと言われています。とても愛情深く、飼い主には甘えん坊で一緒にいたがりますが、見知らぬ人にはシャイな一面も持っています。

なりやすい病気・症状

流涙症・涙やけ

涙の過剰な分泌により目から涙があふれ出し流れ続けることを流涙症といいます。これが慢性的に続くと目の周りの皮膚の炎症、感染、匂い、着色が起きます。これを涙やけと言います。マルチーズは流涙症になりやすい犬種と言われています。主な原因は涙の通り道である鼻涙管が狭い・閉塞している、目への刺激、の二つです。 おうちでできる対策としては、こまめに目の周りをふいて涙や目ヤニなどが溜まらないようにする、目への刺激を少なくするために目の周りの毛をカットする、などがあります。症状が深刻な場合は、動物病院での鼻涙管の洗浄や手術などをする場合があります。

外耳炎

マルチーズは、垂れ耳で毛が長いため、外耳炎になりやすい傾向があります。耳の穴から鼓膜までの耳道に炎症が起きることを外耳炎と言います。炎症の原因は、カビやダニ、寄生虫などの繁殖、アトピーやアレルギーなどの過敏症、異物混入や腫瘍などがあります。ダックスのような垂れた耳を持つ犬は外耳炎になりやすいと言われています。耳が垂れていることによって、耳の中が蒸れやすく菌が繁殖しやすくなります。犬が頭を振ったり、耳や首周りをかく、耳をこすりつけるなどの行動をしていたら一度動物病院で診てもらいましょう。適度に耳掃除をする(やり過ぎは逆効果)ことが予防につながります。

僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)

僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓の弁のひとつが正常に働かなくなって、心臓の中で血液が逆流する病気です。犬の心疾患のうち、7?8割以上がこの病気にかかるとされています。小型犬は発症しやすく、マルチーズは小型犬のなかでも特に発症しやすい犬種です。基本的には予防をすることや完治が難しい病気といわれています。日常生活で、肥満や塩分の高い食事にならないように気を付けることによって心臓の負担を減らすことができます。早期発見により、投薬などを行って病気自体の進行や症状の発現を遅らせることができるといわれていますので、定期的に健康診断を受けることが大切です。

飼っている・飼っていた有名人

モデル・アイドル・タレント

デヴィ夫人、山瀬まみ、篠田麻里子、保田圭、安部なつみ、武藤静香

俳優・役者

山下真司、三浦理恵子

スポーツ選手・格闘家

江川卓

お笑い芸人

ぼんちおさむ、岡田圭右(ますだおかだ)

歌手・アーティスト・海外セレブ

パリス・ヒルトン、華原朋美、神田沙也加、今井絵理子(元SPEED)、上原多香子(元SPEED)、Mina(MAX)

韓国アイドル

BTSジョングク、Red Velvetジョイ、SEVENTEENミンギュ、パク・シネ

ラッピングって?

ラッピングとは、「ラッピングペーパー」とよばれる、毛をつつむ専用の紙で被毛をまいて保護することです。マルチーズの毛を長く綺麗に伸ばす場合に必要となります。ラッピングをしないと、日常生活(走る・歩く・遊ぶ・お散歩など)の中で毛がすり切れたり絡まったり、ゴミや枝葉などが絡みついてしまいます。とても難しいのでプロのトリマーさんにお願いしたほうが良いと言われていますが、2?3日おきにやらなければならない為練習して自分でできるようにする飼い主さんもいるそうです。

世界中で愛されてきたマルチーズ

マルチーズは昔から世界中で愛されてきた犬種です。紀元前1500年頃、フェニキア人(海洋貿易を得意とする民族)の貿易中継点だった地中海のマルタ島に、かれらによって持ち込まれた犬種で、一説ではアジアからきた犬だと言われています。イソップ物語(寓話集)にも2回登場し、「長い船旅をするものや船員のペット」だったことが分かります。シシリア島を経てヨーロッパ各国へ広まり、貴族の愛玩犬として大切にされてきました。イギリスのビクトリア女王もマルタ島からマルチーズを取り寄せて飼っていて、それがきっかけでさらに広まり19世紀末に大流行しました。
日本では、1968年から1984年まで、ジャパンケネルクラブ(JKC)の登録頭数ナンバー1をキープするほどの人気犬種でした。

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