Dog犬図鑑

ラブラドール・レトリーバー

どんな犬?

がっしりとした大きな体を持っていながらも、とても人懐こくて活発で、優しく聡明な性格です。とても優秀なウォータードッグで、かつては魚や水鳥を回収するための水猟犬として活躍していました。(水鳥猟に連れて行く猟犬や、漁のサポートをする作業犬など、水辺で働く犬を総じて「ウォータードッグ」と呼びます。)現代では、世界各国で盲導犬、聴導犬、警察犬、軍用犬、捜索犬、災害救助犬、探知犬、セラピー犬として能力を発揮しています。

原産国

イギリス

サイズ

大型犬。JKCの基準では、理想体高は牡56~57cm、牝54~56cmとされています。

体重

JKCの基準では、体重は定められていません。一般的には30kg~36kgほどと言われています。

値段

ラブラドール・レトリーバーの一般的な価格は20~30万円ほどです。性別やサイズ、毛色、月齢、血統などによって値段は変わります。あるブリーダーサイトでは、30~40万円を超える子もいました。

毛色

JKCの基準では、ラブラドール・レトリーバーの毛色は全体的にブラックあるいはイエロー、レバー/チョコレートと定められています。イエローは明るいクリーム色からレッド・フォックスまであります。胸にある小さなホワイトの斑は許容されます。

特徴

身体は大柄で、しっかりした骨格と力強い筋肉を持っています。頭部や胸、腰など全体的に幅広くがっしりとした体つきです。大きな垂れ耳と、優しい瞳を持っています。被毛は短く直毛です。尻尾は根本から太く伸びていて、少し平べったい形をしています。

性格の特徴

穏やかで気立てが良く聡明で、生まれつき優しい性格です。人間にも他の動物にも社交的で人に喜ばれるのが大好きなので、献身的な伴侶になると言われています。従順で学習能力も高いため、世界中で盲導犬、聴導犬、警察犬、軍用犬、捜索犬、災害救助犬、探知犬、セラピー犬として活躍しています。

なりやすい病気・症状

股関節形成不全

股関節形成不全は、股関節部分の骨が変形することで関節がかみ合わなくなる病気です。大型犬や超大型犬に発症することが多く、主に左右両方の後ろ足の股関節に発症します。主な原因は、遺伝的な問題のほか、成長期の栄養や運動と言われています。過度な食事や運動、肥満も原因になるので、予防のためにはこれらを適度に管理することが必要です。また、家の床がフローリングのような滑りやすい素材の場合は股関節に負担がかかりやすいので、滑りにくい絨毯やカーペットを敷いてあげるのも効果的です。同様に、足裏の毛が伸びても滑りやすくなるので、定期的にカットしてあげましょう。

悪性腫瘍(癌)

悪性腫瘍のなかでも比較的多く見られるのが、肥満細胞腫、悪性メラノーマ、組織球肉腫、リンパ腫、骨肉腫などです。骨肉腫などは若齢から発症する可能性があるので、健康診断では血液検査だけでなく、腫瘍の発見に有効なレントゲン検査や超音波検査なども受けるとより安心です。悪性腫瘍だと診断されたら、獣医師と相談の上、抗がん剤治療や外科手術や対症療法などを選択して治療をしていきます。

胃捻転胃拡張症候群(胃捻転)

ラブラドール・レトリーバーは、胃捻転を起こしやすい傾向にあります。胃捻転はエサを食べて、大きく胃が膨らみ、それが捻れてしまう状態です。 ラブラドール・レトリーバーに限らず大型犬は、胃が拡張して捻転を起こしやすい体の構造をしています。エサを大量に一気に食べたり、水をガブガブと飲みすぎたり、食後すぐに運動をすると胃捻転を引き起こしやすくなります。胃捻転を起こした場合、腹痛を示し、何回も吐きそうな素振りを見せ、ふらふらして呼吸が速くなり、症状が進むと倒れ込んでしまいます。ひどくなると、ガスが充満して血管や他の臓器まで圧迫し、壊死、破裂を引き起こすこともありますから、重篤化する前に病院に連絡を取りましょう。処置が遅れると、命を落とす危険性もあります。予防のために、一気食いをさせずに食事は数回に分けて与える、食後や水をガブ飲みしてから2時間は運動をさせないで休ませる、などを心がけましょう。 になりやすいので注意が必要です。

外耳炎

ラブラドール・レトリーバーは垂れ耳のため、外耳炎を起こしやすい傾向があります。「外耳炎」とは、耳の外耳道や耳介部分に起こる炎症です。耳をかゆがる、耳介の赤み、真っ黒な耳垢や悪臭などが特徴です。犬が耳や頭を振る、耳をかゆがって掻く、床にこすり付ける、耳を触られるのを嫌がって逃げる、などの行動を起こすこともあります。主な原因は、草の種子などの外的な刺激、耳ダニ、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、免疫力の低下、腫瘍などが挙げられます。重症化すると、中耳や内耳にも炎症が及ぶ可能性があります。耳の洗浄と点耳薬、抗菌薬投与などで治療しますが、重症の場合、時に手術が必要です。こまめに愛犬の状態をチェックしてあげて、何か異常が見られたら動物病院へ連れて行きましょう。

飼っている・飼っていた有名人

モデル・アイドル・タレント

木村拓哉&工藤静香夫妻、長瀬智也、三宅健(V6)、小泉孝太郎

俳優・役者

渡辺謙、津川雅彦、石田ゆりこ、中井貴一、萬田久子、壇ふみ、藤原紀香、山本未来、浜田光夫

スポーツ選手・格闘家

パンチ佐藤(佐藤 和弘)、下柳剛、金村義明、倉本昌弘、古閑美保

歌手・アーティスト・海外セレブ

ビル・クリントン元米大統領、プーチン露大統領、小泉純一郎、コシノヒロコ、三谷幸喜、八代亜紀、上沼恵美子、倉木麻衣、滝川クリステル

オッター・テイルって?

ラブラドール・レトリーバーは「オッター・テイル(Otter tail)」と呼ばれる、太くてまっすぐな平べったい尻尾を持っています。根元は太くて先端に向かって徐々に細くなっていて、毛は短く固めで密集しています。その形状がカワウソ(Otter)のようなのでオッター・テイルと言われます。このしっぽはウォータードッグとして活躍してきたラブラドール・レトリーバーにとってとても重要で、水中での舵取りの役割を持っています。

世界中で人気のラブラドール・レトリーバー!

ラブラドール・レトリーバーは世界でもっとも飼育頭数が多い犬種であると言われています。アメリカとイギリスでは人気ランキング首位を取っています。特にアメリカンケネルクラブのランキングでは、30年以上連続で1位を獲得しています。
愛玩犬としてだけではなく、各種の身体障害者補助犬としても大変人気が高いです。アメリカ、オーストラリアなど多くの国で1位を取っていて、警察犬などの公的な用途に使役されている頭数も多くの国でトップを誇っています。ラブラドール・レトリーバーはその高い作業能力と賢さ、従順さを評価され、猟犬はもとより盲導犬、聴導犬、介助犬、薬物や爆発物の探知犬、軍用犬、警察犬、てんかんや心臓発作、急激な血糖値の低下を感知するアラート犬として世界中で活躍しています。

アメリカンタイプとイングリッシュタイプ

ラブラドール・レトリーバーという犬種には、血統によりアメリカンタイプとイングリッシュタイプという2つのタイプが存在します。

【アメリカンタイプ】
アメリカンタイプは、1917年に初めてアメリカンケネルクラブ(American Kennel Club、略称:AKC)に登録されました。手足が長くスマートで柔軟性があり、使役犬としての能力が優れたタイプです。身体的には「やや細身の体型」「長い手足」「長いマズル」などが特徴的です。顔の特徴として、マズルは長く鼻先にいくにつれ細くなっています。性格は比較的活発でやんちゃ、神経質なところもあると言われています。

【イングリッシュタイプ】
イングリッシュタイプのラブラドール・レトリーバーは、アメリカンタイプよりも一足早く1903年にイギリスのケネルクラブ(The Kennel Club、略称:KC)に登録されました。使役犬としての能力を重視しているアメリカンタイプと比べ、品評会のための見た目に重きが置かれたタイプと言われています。胴は短めでがっしりとした体型、マズルも短めで首がしっかりとしています。性格は穏やかで大人しい傾向があると言われています。

☆ラブラドール・レトリーバーの出てくる作品

・写真集や映画化、ドラマ化まで!『盲導犬クイールの一生』
1986年6月に生まれたラブラドール・レトリーバーの盲導犬、クイールの一生をもとにした書籍やドラマ、映画は当時多くの人の心を掴み、話題となりました。クイールが誕生したときから、パピーウォーカーの元で愛情をたっぷり注がれ天真爛漫に暮らしているところ、その後盲導犬訓練センターでの成長の日々を経て、晴れて視覚に障害を持つ方のパートナーとして活躍するところ、引退後のPR犬としての活動、そして1歳の時のパピーウォーカーの下で余生を過ごすところまで、その生涯全てを知ることができます。

・エッセイから映画化へ!『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』(Marley & Me)
ジョン・グローガンのエッセイが原作で、無名の状態から愛犬家を中心に絶大な支持を得て世界的ベストセラーに登りつめ映画化された作品です。子育ての練習としてマーリーというやんちゃなラブラドール・レトリーバーの子犬を引き取った夫婦が、予想以上のハプニングに振り回されながらも愛と絆を深めていきます。出産、子育て、転職と人生の転機を支えあって乗り越えていく二人にマーリーは大切なことを教えてくれます。映画の続編として『マーリー2 世界一おバカな犬のはじまりの物語』(Marley & Me: The Puppy Years)も制作されています。

・長年愛され累計発行部数は400万部を超えた漫画『ハッピー!』
作者は波間信子で、1995年から2010年まで『BE・LOVE』(講談社)に連載されました。事故で失明して希望を失っていた女性が、盲導犬と出会い、希望や勇気を取り戻し、結婚・出産・子育てや周囲の人々との交流を通じて成長していく物語です。1999年に『ハッピー 愛と感動の物語』として高岡早紀主演でテレビドラマ化もされました。翌年の2000年に続編の『ハッピー2 愛と感動の物語』が放送されました。

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